2019 年 68 巻 3 号 p. 235-239
診療情報の電子化に伴って 2 次利用に対する議論が行われている.特に研究開発分野においては,リアルワールドデータの活用として医薬品医療機器の開発コスト削減・品質の向上が見込まれている.また海外においては保険償還の手続きの際に臨床データの提供が求められている.データを 2 次利用する際に重要なことはデータの標準化である.電子カルテを利用する際によく用いられる標準規格としてはHL7が挙げられるが,研究開発を行う際にはCDISC標準による標準化が必要である.そこで今回は,電子カルテを研究開発に用いるためのCDISC標準化について紹介する.電子カルテをCDISC標準化することは海外だけではなく本邦においても事例がある.電子カルテをCDISC標準化することでデータの発生時点から解析に至るまでの過程で効率化や信頼性の向上が見込まれる.一方で,CDISC標準を電子カルテに適応することでの限界や問題点もある.本稿においてはこれらのメリットや問題点を紹介して電子カルテの標準化における今後の展望について考察する.