保健医療科学
Online ISSN : 2432-0722
Print ISSN : 1347-6459
ISSN-L : 1347-6459
特集
受動喫煙防止法規制で飲食店の禁煙化による経営への影響
姜 英大和 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 69 巻 2 号 p. 121-129

詳細
抄録

2018年時点で,世界で62ヵ国が飲食店等すべて法規制により屋内全面禁煙を施行している.日本は2020年 4 月 1 日から「健康増進法の一部を改正する法律」が全面施行され,第二種施設である飲食店を含むサービス産業は原則屋内禁煙とされたが,一方で喫煙専用室,飲食可能の加熱式たばこ専用の喫煙室の設置が認められた.特に,全体の55%を占める既存の経営規模の小さな飲食店(「資本金5,000万円以下」かつ「客席面積100㎡以下」)は経過措置として「喫煙可」を選択できる緩やかな規制となっている.

諸外国のように屋内全面禁煙の法規制が施行されなかったのは,レストラン,バーなどのサービス産業にマイナスの経済影響が発生する,という懸念が阻害要因となっていたからである.

2009年のIARCがん予防ハンドブック第13巻「屋内施設の全面禁煙化の評価」は86論文のシステムレビューを行い,“レストラン,バーを法律で全面禁煙にしても減収なし”と結論した.本稿では,2009年以後に報告された屋内の禁煙化と経済影響に関する論文を追加し,経済指標(営業収入・課税額,雇用者数,店舗数)についてレストラン,バー・居酒屋,宿泊業などの業種別に検討した結果,全面禁煙化によるマイナスの経済影響は認められなかった.

諸外国のようにすべての施設を屋内全面禁煙とする法改正が必要である.

著者関連情報
© 2020 国立保健医療科学院
前の記事 次の記事
feedback
Top