保健医療科学
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症例報告の公開と臨床試験(研究)情報の登録・公開
ロボット支援下手術等に関する登録・報告の推移
吉田 都美 湯川 慶子佐藤 元
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電子付録

2020 年 69 巻 3 号 p. 253-259

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抄録

2018年 4 月に施行された臨床研究法では,医薬品等の有効性や安全性の評価を行うすべての臨床研究に対して法に基づき手続きが求められることになった.一方,手術・手技を介入手段とする臨床試験については,臨床研究法の対象外であるものの臨床研究法附則において,その有効性,安全性のエビデンス確立に向けた措置を講ずることとされている.本稿では,今後の臨床研究施策の在り方に資することを目的として,先端的な手術・手技の臨床試験の例としてロボット支援下手術を取り上げ,WHOのInternational Clinical Trial Registry Platform(ICTRP)およびClinicalTrials.govにおける登録状況を調査し,薬事承認や保険収載等のイベントと比較しながら国内外の臨床試験の登録,症例報告の公表状況の推移を検討した.結果として,2020年 5 月時点でロボット支援下手術のICTRP登録件数は188件,ClinicalTrials.govでは131件認められ,試験数は2010年頃より増加し2018年頃よりやや減少していた.ICTRP登録での国別では当初,米国やフランスなど欧米の試験に占められていたが,2011年以降は日本や中国での登録数が増加した.我が国のロボット支援手術の試験登録数は,薬事承認や保険収載等の時期と関連していたが,フィージビリティ試験から有効性・安全性を評価する臨床試験に至るまでにはタイムラグがあることが明らかとなり,その期間の安全性や有効性を確保できるような制度設計が喫緊の課題であると考えられた.

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© 2020 国立保健医療科学院
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