2021 年 70 巻 2 号 p. 141-148
国は,攻める農業を目指す施策の一つとして,平成 2 年に対米輸出食肉を取り扱うと畜場・食肉処理施設(以下,対米輸出食肉認定施設)制度の創設以降,現在も輸出促進について政府を挙げて取り組んでいる.宮崎県では,平成 2 年に対米輸出食肉認定施設の認定を受けて以降,HACCP等の国際的な衛生管理手法を輸出認定施設以外の県内と畜場・食鳥処理場に対して導入させていく必要があると考え,食肉の衛生確保に係る事業を継続的に実施してきた.その結果,平成27年 1 月,県内全てのと畜場(7施設)及び大規模食鳥処理場(10施設)におけるHACCP導入型基準の導入を宮崎県の各食肉衛生検査所が確認した.今後,HACCPの適切な維持管理にあたっては,と畜場,大規模食鳥処理場による内部検証や定期的なシステムの見直しに加えて,食肉衛生検査所による外部検証が重要と考える.HACCPの適切な実践に必要な外部検証を有効に実施するためには,継続的な自治体におけるHACCPの定着に係る施策の実施と併せて,特に①と畜検査員や食鳥検査員の人材の育成,②有効な検証方法の確立,③事業者と食肉衛生検査所における相互議論の維持が継続的な課題であろうと考える.