2021 年 70 巻 2 号 p. 148-158
食品衛生法が改正され,食品関係事業者は原則的にHACCPを実施することが制度化された.HACCPは食品のハザードを明らかにしたうえで,その管理方法を決定するシステムであるため,ハザードの理解が必須である.しかし,すべての食品関係事業者がハザードを理解して管理方法を決めることは難しいため,それらの事業者を指導する地方自治体の食品衛生監視員等の役割は重要性が増している.そのため,食品衛生監視員等は適切な研修を受ける必要がある.HACCPは米国やEUでは既に義務化されており,担当職員の研修も実施されているため,参考になる部分があると思われる.一方で,米国等とは職員の雇用形態が異なり,日本は閉鎖型任用制であるとされているため,それらも加味した研修が必要となる.さらに,国際的には安全な食品の概念は広がりを見せているので,それらを含めて,今後の食品衛生監視員に求められる研修制度について考えてみた.