保健医療科学
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日本における高齢化とリハビリテーションの変遷
医療・介護保険制度下における展開
山口 佳小里 牧原 由紀子河野 眞
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2022 年 71 巻 1 号 p. 35-44

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抄録

リハビリテーションは健康増進・疾病予防・治療等とともに,ユニバーサルヘルスカバレッジの必須項目に含まれている.近年,社会の高齢化が国際的な課題となっており,リハビリテーションのニーズも高まっているが,特に低・中所得国においてリハビリテーションは十分に提供されておらず,その需要は満たされていない.一方,本邦においては,世界的にもリハビリテーション専門職の数が多く,多様な対象者に対し,全ての段階におけるリハビリテーションの提供を概ね達成している.リハビリテーション提供体制の構築に関しては,国の政策・制度に依るところが大きいことから,本著では高齢者に対するリハビリテーションに焦点をあてて,高齢化先進国である本邦のリハビリテーションの普及の過程について,疾病構造の変化や政策・制度の変遷から論じるとともに,現在の医療・介護保険制度下におけるリハビリテーションの提供体制について整理した.

リハビリテーションの普及に大きな影響を与えた事象として,非感染性疾患-特に脳卒中患者の増加,施設入所高齢者の地域生活移行の促進,自立支援を基盤とした介護保険制度の施行と自立支援強化のための回復期リハビリテーション病棟の創設が挙げられる.これらは医療・介護保険制度に組み込まれ,リハビリテーションも制度内に位置づけられることとなった.これによりリハビリテーション専門職が増加し,広くリハビリテーションサービスを提供できるようになった.近年では,地域包括ケアの理念に基づき,重度化防止・介護予防のさらなる促進のため,より広く多様なリハビリテーション専門職の活用が進められている.今後の課題としては,大規模データの分析等によるエビデンスの確立と,エビデンスに基づく政策立案・制度設計が挙げられる.

本邦における医療・介護保険制度下でのリハビリテーション提供体制は,リハビリテーションの提供が十分でない他国におけるリハビリテーションの制度化・体制整備を考える上で参考になると考える.

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© 2022 国立保健医療科学院
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