抄録
浄水場における代表的な凝集阻害誘因藻類とされているMicrocystis aeruginosaの莢膜から,アルミニウムと親和性を有する有機物を分離し,組成分析を行った.FPLCによる分析の結果,全莢膜試料からは糖とタンパク質が検出されたが,アルミニウムイオンに親和性を持つ莢膜試料からは糖のみ存在が確認された.後者についてキャピラリー電気泳動による構成糖分析を行った結果,グルコース,マンノースおよび酸性糖が存在することが確認された.これらの結果より,莢膜に含まれる糖鎖中の酸性糖が含有するカルボキシル基がアルミニウムと錯形成することによって,凝集阻害を引き起こしていることが示唆された.