2022 年 71 巻 5 号 p. 408-415
健康日本21(第二次)に係わる健康寿命は「日常生活に制限のない期間の平均」,「自分が健康であると自覚している期間の平均」と「日常生活動作が自立している期間の平均」である.3指標の間で,定義と算定方法が大きく異なることが確認された.2010~2019年(健康寿命の目標達成の評価対象期間)において,全国では,健康寿命はいずれの指標とも延伸傾向であったが,不健康寿命(平均寿命と健康寿命の差)は「日常生活動作が自立している期間の平均」で若干の延伸傾向,他の 2 指標で短縮傾向であった.都道府県と市町村における健康寿命の解釈にあたって,指標の定義と算定方法,および,全国の2010~2019年の推移を考慮することが重要であろう.