保健医療科学
Online ISSN : 2432-0722
Print ISSN : 1347-6459
ISSN-L : 1347-6459
特集
ASEAN諸国における歯・口腔の健康格差に基づく介護予防アセスメント
三浦 宏子 山口 佳小里児玉 知子
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 73 巻 3 号 p. 207-213

詳細
抄録

目的:本研究では,ASEAN諸国等の中高年層における歯・口腔の健康格差の現状を明らかにしたうえで,介護予防アセスメントに包含すべき歯科保健指標について二次分析する.

方法:ASEAN諸国における歯・口腔の健康格差の現状を把握するため,二次資料・データに基づく定量分析を実施した.中高年の口腔健康状態に関する6つの指標は,WHO のThe Global Health Observatoryから取得した.歯科保健に関する指標をASEAN諸国間で可視化するためにzスコアを用いた.また,高齢者の歯の喪失状況とフレイルとの関連性について,アジア諸国での研究知見による文献レビューを行い,定性的な分析を行った.

結果:二次データを用いたzスコアを算出したところ,3つに類型化できた(①重度歯周病の有病率が高い,②60歳以上の無歯顎者率が高い,③両方が低い).また,文献レビューの結果,アジア諸国での歯の喪失状況とフレイルに関する横断研究8件,縦断研究1件が抽出された.これらの研究の大部分で,歯の喪失状況とフレイルとの間には有意な関連性が報告されていた.

結論:ASEAN諸国における歯科保健指標の国家間比較により,3つの類型に分類し,各々の特徴を明確にすることができた.さらに,アジア諸国での歯の喪失とフレイルに関する文献レビューの結果,両者の間には有意な関連性があることが確認された.歯の喪失等の歯科保健指標は介護予防アセスメントに活用でき,フレイル予防や介護予防に寄与することが示唆された.

著者関連情報
© 2024 国立保健医療科学院
前の記事 次の記事
feedback
Top