2020 年 6 巻 1 号 p. 12-17
頭部打撲に伴う疼痛,腫脹は時に患者に不安や苦痛を与え治療が必要となる。治打撲一方は日本古来の漢方薬であり,外傷による腫脹や疼痛への有効性が報告されている。本研究では,頭部外傷による疼痛を伴う腫脹に対し治打撲一方を投与した症例を後方視的に検討しその有効性について検討した。その結果,治打撲一方の投与により疼痛の改善,腫脹面積の縮小が得られる傾向がみられた。副作用はなく短期の内服は安全と考えられた。ランダム化試験などの研究デザインにおける検討が必要と考えられた。