自然言語処理
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概念情報に基づく前置詞句係り先の曖昧性の解消
呉 浩東古郡 廷治
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1997 年 4 巻 1 号 p. 57-70

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抄録

英語前置詞句の係り先の曖昧性は文の構造的曖昧性の典型例をなすものである. 本論文は, 選好規則と電子辞書から得られる様々な情報に基づき, 前置詞句の係り先を決定する手法を提案する. 最初に, 係り先を決める上での概念情報の役割と, それを電子辞書から抽出する方法を述べる. 次に, 概念情報をはじめ統語晴報, 語彙情報に基づく前置詞句の係り先を決める選好規則について述べ, 選好的曖昧性解消モデルを提案する. このモデルでは選好規則によって一意的に係り先が決まらなかった場合, 補助的に確率を使い, コーパスから得られるデータから確率計算をすることにより係り先の決定を行っている. 使用頻度の高い12の前置詞旬を含む2877文について行った実験では, 86.9%の正解率を得た. これは既存の手法に比べ, 2%から5%よい結果となっている.

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