科学技術社会論研究
Online ISSN : 2433-7439
Print ISSN : 1347-5843
原著
法科学における異分野間協働
異種混合性への批判と標準化
鈴木 舞
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2017 年 13 巻 p. 167-185

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抄録

 科学的活動において異なる科学分野や人々がいかに協働しているのかは,STSの重大な研究関心であり,これまで中間物を利用することで,互いの差異を保持したまま異分野間協働が行われる様子が分析されてきた.本論文では,ニュージーランドの法科学ラボラトリーでの質的調査に基づき,法科学における異分野間協働の特性を考察した.犯罪に関連する資料の科学鑑定を担う法科学には多様な鑑定分野が含まれ,裁判での裁定に寄与する為に互いに協働している.鑑定分野間の協働の在り方の変化を分析することで,法科学における協働の特性として,それが裁判の影響を受けていること,裁判では中間物を利用し鑑定分野の異種混合性を維持した協働の形ではなく,鑑定分野間で標準化された実践に基づいた協働の形が求められることが明らかになった.さらに,鑑定分野間で標準化された実践とは,DNA型鑑定のやり方に他の分野を統合していくことを意味し,法科学のDNA型鑑定化が生じていることが分かった.

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© 2017 科学技術社会論学会
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