科学技術社会論研究
Online ISSN : 2433-7439
Print ISSN : 1347-5843
総説
科学技術イノベーション政策の誕生とその背景
小林 信一
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 13 巻 p. 48-65

詳細
抄録

 「科学技術イノベーション政策」は日本の科学技術政策及び関連政策の条件下で登場した日本固有の概念である.とはいえ,イノベーションもイノベーション政策も一定の学術的基盤と国際的共通性を持つ.本稿では,イノベーションに関する学術的理解とそれが政策的課題として位置づけられてきた背景を紹介するとともに,日本の政策的場面においてイノベーションがいかにして受容され,政策的課題となっていったか,いかにして科学技術イノベーション政策が成立してきたかを紹介する.とくに第二次安倍政権下の科学技術イノベーション政策の特色が,①科学技術,研究開発に関わるイノベーションだけを対象とすること,②成長戦略の下位戦略として位置付けられたこと,③その実現のための手段としての「イノベーション・ナショナルシステム」にあること,これが契機となって日本社会にイノベーション概念が急速に普及したことを示す.

著者関連情報
© 2017 科学技術社会論学会
前の記事 次の記事
feedback
Top