日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
Print ISSN : 1340-766X
ISSN-L : 1340-766X
解説
NEURONシミュレータによるモデルと理論の共有
樹状突起の理解へ向けて
青西 亨宮川 博義井上 雅司岡田 真人
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 12 巻 2 号 p. 100-106

詳細
抄録

脳研究においては,実験家と理論家の間でモデルや理論の共有が出来ていない.脳はあまりにも複雑すぎて,研究者間で統一した記述のモデルが存在しない.また,脳を解析するために利用できる理論が存在する.しかし,モデルが共有できていない状況において,モデルに強く異存した理論を共有するのは難しい.この状況を打破してくれるのが,NEURONシミュレータをはじめとするプラットフォームシミュレータである.本稿では,NUERONシミュレータを介してモデルと理論的な自由度低減法である摂動法を共有して,理論家と実験家の協力で行っている研究を詳解する.今まで知られていない活動電位発生メカニズムや樹状突起の逆伝搬活動電位のシナプス情報統合における役割を述べる.

著者関連情報
© 2005 日本神経回路学会
前の記事 次の記事
feedback
Top