抄録
ΔΣ変調にもとづくパルス神経回路(DSM-PNN)とそのハードウエア化について述べる.本手法では,パルス信号としてディジタル信号処理分野において注目を集めているΔΣ変調にもとづく1ビットストリーム信号を採用することにより,コンパクトな回路構成を実現することが可能なパルス神経回路の特徴を生かしつつ,ディジタル信号処理の観点から高い精度の演算が実現可能である.この特徴を生かし,特定のモデルや学習アルゴリズムに特化させることなく,各種1ビットストリーム信号の演算器により,様々なモデルや学習アルゴリズムに対応可能な神経回路を構成する.最後に,様々なハードウエア化の実施例の中から,独立成分分析を行うDSM-PNNについて紹介する.