抄録
手書き文字と活字文字の自動判別の実現は,画像処理分野の課題として興味深いだけでなく,光学文字認識装置における認識エンジンの使い分けに役立つことが期待されるなど,実用的側面でも大きく期待されている.著者らが近年提案しているスペクトル領域局所ゆらぎ検出(Spectrum-domain local fluctuation detection, SDLFD)法は,それを高い性能で実現する方法である.このSDLFD 法は従来法と異なり,文字や文字列の切り出しやテンプレートを必要としない方法である.本稿では,SDLFD 法の考え方と処理の概要を解説するとともに,その特長を紹介する.