日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
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15 巻, 3 号
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巻頭言
解説
  • 小山 純平, 加藤 雅弘, 廣瀬 明
    2008 年 15 巻 3 号 p. 165-173
    発行日: 2008/09/05
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
    手書き文字と活字文字の自動判別の実現は,画像処理分野の課題として興味深いだけでなく,光学文字認識装置における認識エンジンの使い分けに役立つことが期待されるなど,実用的側面でも大きく期待されている.著者らが近年提案しているスペクトル領域局所ゆらぎ検出(Spectrum-domain local fluctuation detection, SDLFD)法は,それを高い性能で実現する方法である.このSDLFD 法は従来法と異なり,文字や文字列の切り出しやテンプレートを必要としない方法である.本稿では,SDLFD 法の考え方と処理の概要を解説するとともに,その特長を紹介する.
  • —階層モジュール構造をもった集積視覚システム—
    八木 哲也
    2008 年 15 巻 3 号 p. 174-180
    発行日: 2008/09/05
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
    モデルや計算機シミュレーションを用いた,構成的な手法による脳研究の重要性が高まっている.このような構成的な手法で神経回路の機能を解析する場合,自然な刺激条件での実時間処理を扱うことが重要となる.ここでは,脳視覚系の生理学モデルをハードウエアにインプレメントし,自然環境下での視覚情報処理を実時間で再構成する技術について,本研究室でのアプローチを中心に紹介する.またこのようなハードウエアをロボットビジョンに応用した例についても紹介する.
  • 兼村 厚範, 福田 航, 前田 新一, 石井 信
    2008 年 15 巻 3 号 p. 181-192
    発行日: 2008/09/05
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
    超解像は,複数枚の観測画像を利用することで高解像度の原画像を推定する 画像処理手法である.超解像においては,高次元変数の推定という計算コストの 問題があったが,近年の計算機の発達と変分ベイズなどの近似手法の開発によって それが克服されつつある.本稿では,我々が行ったベイズ統計の枠組みに基づいた 超解像アルゴリズムについて述べる.
  • —モデル予測とその心理物理学的検証のケーススタディー—
    渡部 修
    2008 年 15 巻 3 号 p. 193-202
    発行日: 2008/09/05
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
  • 石金 浩史
    2008 年 15 巻 3 号 p. 203-208
    発行日: 2008/09/05
    公開日: 2009/01/30
    ジャーナル フリー
    近年,神経科学分野において多細胞同時記録が盛んになり,ブレインマシンインターフェース·ブレインコンピューターインタフェースの実用化が現実味を帯びてきた.しかして主としてwet experimentによりデータ収録と解析を行っている研究者はその膨大なデータ量と解析に日夜頭を悩ませている.単一ニューロン記録が主流だった時代においては神経科学界におけるセントラルドグマである「頻度の法則」に基づき,ラスタープロットとperi-stimulus time histogram(PSTH)によるデータ表示と解析が行われていた.これは多くの場合において感覚の程度や運動出力の強度が“全か無か”の法則にしたがうスパイク発火の頻度と対応関係がある事実に対してその妥当性の根拠を求めたことに起因する.しかしながら,多細胞同時記録が可能になった現在において,収録されたデータは単純に単一ニューロンデータの集合体として取り扱うだけでなく,これまで理論的に提唱されてきた細胞集団による情報表現や符号化·復号化の仮説に対して何らかの示唆を得られるような解析を行うことが求められてきている.もちろん,データ取得効率の向上を目的とし,一度に多くの単一ニューロンデータを得ることが可能な実験法として多細胞同時記録実験を遂行し,従来のように発火頻度やその時間的特性を解析することに対して異を唱えるものではない.本稿では主として著者がこれまで関わってきた多細胞同時記録に関連する実験と理論の現状に関して述べるととともに,いわゆる実験家と理論家とに大別される研究者間の連携についてもふれる.
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