抄録
脳の神経細胞は多くの入力を受け,多くの出力を出す.つまり,脳の神経配線は,拡散·収束構造を持つ.脳には,神経配線が全くのランダム構造であれば出現しないような解剖学的構造や神経細胞応答が見られる.ここでは,神経配線の拡散·収束構造を,画像処理で広く使われるハフ変換に代表されるパラメータ空間への投票と仮定したとき,どのような処理が可能なのか,どのように生理実験結果を説明するのか,について,大脳皮質視覚関連領野のモデルを通じて例示する.また,パラメータ空間への投票とアブダクション(仮設生成)とのアナロジーについて私見を述べる.