日本神経回路学会誌
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解説
多次元ヒストグラムのビン幅最適化と非弾性中性子散乱実験への活用
武藤 健介
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2022 年 29 巻 1 号 p. 24-29

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抄録

神経科学で用いられるデータ解析手法の分野横断的な活用事例として,材料科学,特に非弾性中性子散乱実験での事例を紹介する.中性子散乱実験は応用範囲が広く,様々な対象の研究に用いられている.近年の技術革新により,高効率に大容量の非弾性中性子散乱実験データを得られるようになった.データは,エネルギーと運動量で表される4次元空間中の点群として得られ,解析のためにこれをヒストグラム化する必要がある.従来は目視でのヒストグラム化が行われていたが,人的コストや処理の恣意性が問題となるため,多次元ビン幅最適化手法が提案された.これは,発火率推定に用いられるビン幅最適化手法の多次元化と,計算量削減のための工夫によって構成されている.本稿ではそれらの詳細について述べる.

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© 2022 日本神経回路学会
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