日本神経回路学会誌
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解説
生物システムの頑健性と可塑性を支える進化的次元削減
坂田 綾香金子 邦彦
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2024 年 31 巻 3 号 p. 149-159

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抄録

生物システムは一般に,外部の摂動に対して安定した機能を保つ頑健性と,異なる条件に応じて適切な状態(表現型)に速やかに遷移する可塑的性質を併せ持つ.アロステリック酵素やモータータンパク質がその代表例である.一見矛盾するように思える二つの性質がどのように両立するのだろうか.本稿では,頑健性と可塑性は進化的に獲得された性質であるという立場から,アロステリック効果を模した数理モデル上での進化シミュレーションと低次元性を仮定した近似的解析から,頑健性と可塑性が両立する仕組みを探る研究例を紹介する.

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© 2024 日本神経回路学会
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