看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
Print ISSN : 2188-4323
ISSN-L : 2188-4323
原著
放射線誘発唾液腺障害マウスモデル確立に向けた予備的研究
山内 麻里子鈴木 学爾高橋 一人関亦 正幸櫻井 健雄箱崎 みらん遠藤 実悠関亦 明子
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 13 巻 p. 1-13

詳細
抄録
 口腔乾燥症はがん放射線治療の合併症であり,嚥下,発話,咀嚼の困難を引き起こし,患者の生活の質や治療継続に影響する.口腔乾燥症への対応は緩和的であり,根本的な解決法が必要である.本研究の目的は,放射線誘発性唾液腺損傷のマウスモデルを確立し,新規予防介入評価のための指標候補を得ることである.6mm の鉛板で唾液腺領域を1cm 開けてマウスの全身を覆い,0から30G y の単回放射線照射を行って,唾液流量,唾液腺の組織構造,およびp53 の発現を評価した.その結果,15 Gy 照射後3日から8週の間が,唾液流量低下の観察に適していることが分かった.さらに,15または30Gy の照射後8週目に,耳下腺に巨核細胞が観察された.本研究においては,6mm の鉛板を使用することで,マウスの致死を回避した照射方法を確立して,15Gy の照射強度が唾液腺障害を誘発するために必要十分であることが分かった.

【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→治療時から退院後も問題となるがん治療の有害事象の1つである口腔乾燥症の軽減を目指した研究です.

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ 退院後も長く残るがん治療後の口腔乾燥症をはじめ,味覚障害や口腔粘膜症,口腔関連の感染症を減少させ,QOLの向上に貢献します.

3.今後どのような技術が必要になるのか?
→放射線障害を軽減する薬剤の探索や,それをケアに用いる方法や素材に関する技術が必要になります.
著者関連情報
次の記事
feedback
Top