看護理工学会誌
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原著
歩行が健常成人男性の下大静脈径に及ぼす一過性の影響:循環動態評価への示唆
近藤 考朗大橋 史弥木村 泰基石和 日菜美幅 大二郎松本 勝北村 言藤野 陽紺家 千津子
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2026 年 13 巻 p. 210-216

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抄録
 循環動態の評価には,下大静脈(IVC)径の正確な評価が重要である.本研究目的は,歩行がIVC 径に及ぼす経時的影響を明らかにし,歩行後にIVC 径を評価する際の適切なタイミングを検討することである.成人男性30 名(平均年齢24.1 ± 5.9 歳)は,仰臥位で15 分間安静後に10 分間歩行を行い,安静時と歩行直後,5,10,15 分後に携帯型エコーでIVC 径を計測した.IVC 最大径および最小径は,安静時には有意な経時的変化は認められなかったが,安静時と比較して歩行直後は有意に増加し(最大径:1.6 ± 0.3 vs 2.1 ± 0.3 cm,最小径:0.6 ± 0.1 vs 0.8 ± 0.2 cm,いずれもp <0.001),それぞれ10 分,5分間持続した.歩行はIVC 径を一過性に増大させるため,歩行後にIVC 径を評価する場合には,少なくとも15分間の安静を確保することが推奨される.

 

【キーメッセージ】

1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?

 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?

→ 在宅で循環動態を客観的に評価する指標として下大静脈径に着目した.日常生活動作の1つである歩行が,下大静脈径の変動に与える影響を明らかにすることを目的とした

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?

→ 下大静脈径の評価を歩行後に実施する場合には,15 分間の安静が必要である可能性が示された.本知見は評価時の判断基準として活用できる.

3.今後どのような技術が必要になるのか?

→ 今後は心不全療養者を対象に,日常生活動作が下大静脈径に与える影響を検討し,在宅の場で正確に下大静脈径を評価するための手法および測定支援技術の確立が求められる.

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