看護理工学会誌
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原著
超音波検査とスケッチ技法を用いた末梢静脈カテーテル留置時の観察研究
高橋 聡明村山 陵子田邊 秀憲玉井 奈緒藪中 幸一真田 弘美
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2018 年 5 巻 1 号 p. 2-11

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抄録

 末梢静脈留置カテーテルの複数回穿刺後の良くない留置状況と留置継続困難時の浮腫を伴う血栓を質的スケッチ技法と超音波検査を用いて記述した.結果,7カテゴリー,2つのストーリーラインが見出された.1つ目のストーリーラインは,複数回穿刺の状況下で<刺入血管の目視>が困難ななか,尺側等の<刺入部位>を選び<刺入時の姿勢>が【穿刺のためのねじれた肢位を伴う姿勢】であった.矢状面に平行な<カテーテルの向き>が実現できず【血管走行と一致しないカテーテル方向】が超音波検査上で確認された.2つ目のストーリーラインは,橈側等の留置は【良肢位で刺入した姿勢】ではあるが,<ドレッシングによる固定>でメッシュ部がコネクター部にかかり<固定に付随するハブコネクター周辺の状態>で皮膚にめり込むような【コネクター部の圧迫による皮膚のくぼみ】があり,超音波検査画像で【血管上方向に位置するカテーテル先端】であった.複数回穿刺時には,留置時の肢位と固定方法により機械的刺激が加わり血栓・浮腫が形成される可能性が示唆された.

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© 2018 看護理工学会
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