看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
Print ISSN : 2188-4323
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原著
抗がん剤の血管外漏出早期発見のための新しい液晶感温フィルムの使用感,実現可能性,安全性における臨床評価:パイロットスタディ
阿部 麻里村山 陵子田邊 秀憲上山 恵三子小見山 智恵子松井 優子真田 弘美
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2020 年 7 巻 p. 89-98

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抄録
抗がん剤の血管外漏出の早期発見は重要であるが,そのアセスメントはむずかしく,客観的手法が求められている.そこで液体貯留が皮膚表面温度の低下をもたらすことから,非侵襲的かつ持続使用可能で安全な血管外漏出アセスメントツールとして,液晶感温フィルムを開発した.研究目的は,開発したフィルムの使用感,安全性,皮膚表面温度の可視化における実現可能性を確認することである.患者40名と看護師8名を対象とした.明らかな血管外漏出はなかった.使用後の調査において,患者は全員がフィルムを使用してもよいと答え,かゆみなどの不快感があったものはいなかった.看護師は,感温フィルムをカテーテル固定用フィルムの上に貼付し,通常通り薬剤投与を行い,使用感を感温フィルム1 枚ごとに評価した.看護師の回答の80%において観察の頻度は変わらなかったことから,業務負担への影響は少ないと考えられた.カメラで記録された温度分布は6 つのパターンに分類された.以上より,血管外漏出アセスメントツールとしての実現可能性が示唆された.
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