抄録
高さ40 cm の椅子に腰かけた姿勢から起立する動作について,①通常どおり能動的に行った場合,②他者による全介助で行った場合,③パワーアシストロボット(HAL)装着で行った場合に平均血圧および酸素化ヘモグロビンの濃度変化でみた脳血流量がどのように変化するかを,若年者(22.3± 2.1 歳)と高齢者(69.6± 3.5 歳)各12 人で比較した.平均血圧の低下は若年者のほうが高齢者より有意に大きかった.起立方法の違いによる差異はなかった.脳血流量の低下については,起立方法の違いによる有意差がみられたが,効果量は小さかった.一方で若年者と高齢者に有意差はなかったが効果量は中程度あった.高齢者であっても,若年者と比較のうえでは,起立の方法にかかわらず起立時の血圧および脳血流量の低下は大きくなく,有利とも言える結果であった.HAL は高齢者に対して循環血流の面では不自然さの少ないデバイスと考えられた.