看護理工学会誌
Online ISSN : 2432-6283
Print ISSN : 2188-4323
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原著
足底部背屈可能な短下肢装具による歩行への影響の分析
井上 淳林 敏熙花崎 泉
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2020 年 8 巻 p. 28-37

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抄録

 著者らは,片麻痺患者が早期から自然な歩行訓練をできる補助機器を開発してきた.そのなかで,本研究では従来の形状とは異なる短下肢装具を開発した.これは足底部を3層に分け,中央の層に凹凸を作ることで,反発力のないMP関節を反発なく背屈可能にした短下肢装具である.本論文ではそれが歩行に与える影響について検討するために,裸足歩行と平面型の足底部パーツ,足底部に関節のある2種類の足底部パーツをつけた短下肢装具での歩行の計4条件で,下肢装具の足底部形状が歩行に与える影響を5m 歩行持間と足底圧中心の移動範囲の2点から比較した.その結果,足底部に関節のある下肢装具のほうが平面型の下肢装具よりも速度が速い歩行が可能であることと,足底圧中心移動が自然にできることが分かった.また,足底部に設ける関節位置が人間のMP 関節と一致していることが歩行速度によい影響を与えることを明らかにした.

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