抄録
産科混合病棟では,人員の少ない夜勤帯に産婦に対応することによって産婦以外の患者に充てる時間が減少しないかという懸念がある.本研究の目的は,産科混合病棟の夜勤帯における産婦の存在が,産婦以外の患者の病室に看護師・助産師が滞在する時間に及ぼす影響を明らかにすることである.無線通信装置を用いて看護師・助産師の滞在場所と滞在時間を測定し,産婦なし7夜勤と産婦あり5夜勤の滞在時間の中央値を比較した.産婦あり群で助産師は分娩エリア滞在時間が有意に増加しており,看護師の滞在時間は有意に産科4床室が増加し休憩エリアが減少していた.産婦以外の患者の病室に滞在する時間は,看護師・助産師ともに産婦の有無で有意な差はなかった.夜勤帯に産婦が存在していても,産婦にかかわる助産師に代わって看護師が褥婦にかかわる協働が行われ,休憩が減少しても看護師・助産師による産婦以外の患者の病室での滞在時間に有意な減少は認められなかった.
【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
→ 産科を含む複数診療科の患者が入院する病棟での看護師・助産師の動きを明らかにする.
2. 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→ 人員の少ない夜勤帯に産婦への看護と産婦以外の患者への看護が重なると互いの看護時間に影響があるのではないかという懸念.
3.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ 産科混合病棟の看護を維持するために必要な看護師・助産師の人員配置の資料となる.
4.今後どのような技術が必要になるのか?
→ 連続して長期間,看護師・助産師全員の看護行為と時間を自動で計測できる装置を作る技術.