2019 年 129 巻 7 号 p. 1497-1504
71歳男性,56歳女性,68歳男性,73歳男性のスポロトリコーシスを報告する.第3・4例は遺伝子解析でS. globosaと同定した.第4例はイトラコナゾール(ITCZ)が奏効せずヨウ化カリウム(KI)に変更後病変を全摘した.他はKIが奏功した.遺伝子解析から本邦での起因菌はほぼS. globosa(37℃で発育せずITCZ低感受性)でKIや温熱療法が適することが裏付けられた.皮膚科医にも最新の真菌学的知見や遺伝子学的検査を活用することが求められ始めている.