抄録
緩衝材中を移行する核種の濃度が親核種の崩壊に伴って溶解度を超え、移行途中で沈澱が生じる現象を、その場所での核種の同位体存在比を考えた溶解度の割り当てによる効果を含めて解析した。解析に当たっては、崩壊連鎖に含まれる核種の移行パラメータの影響を考慮した。その結果、沈澱現象や同位体存在比の時間的空間的変化を考慮しない従来の多くの解析モデルは、人工バリアからの核種放出率を高めに与えるという意味で、安全評価上の保守性の観点から受け入れられるものであることが示された。また、これらの効果を含めた、より現実的なモデルによって、システムの安全裕度が大きく高まる可能性があることも確認された。