原子力バックエンド研究
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研究論文
鉄との相互作用による緩衝材への変質影響評価:影響要因に関する解析的検討
笹本 広James Wilson佐藤 努
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2013 年 20 巻 2 号 p. 39-52

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抄録

 高レベル放射性廃棄物の地層処分における性能評価は,評価対象となる期間が長期にわたるため,このような長期においては緩衝材が変質し,緩衝材に期待される性能にも影響が生じる可能性がある.本報告では,処分環境において緩衝材が被ると予想される変質のうち,オーバーパックの候補材である炭素鋼(鉄)と緩衝材(ベントナイト)の相互作用を対象とし,鉄による緩衝材の変質影響に関する既往の知見を整理するとともに,それを踏まえた鉄との相互作用による緩衝材の長期的な変質評価のための手法を諸外国における先行事例も参考にしつつ開発した.
  変質評価手法の開発に当たっては,鉄-ベントナイト相互作用に伴う長期的な変質影響の評価で考慮すべき主要な現象を概念モデルとして整理した.概念モデルで考慮した現象のうち,緩衝材の変質に影響を与えると考えられる主要な反応・プロセスとして,1) オーバーパックの腐食反応に伴う Fe2+の供給,2) 圧縮ベントナイト中での Fe2+の拡散,3) スメクタイト結晶端への Fe2+の収着や層間でのイオン交換,4) スメクタイトの鉱物学的変化に伴う二次鉱物の生成を抽出した.これらの主要な反応・プロセスを対象に,緩衝材の変質への影響が最も大きいと考えられる要因を解析的に検討した.

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© 2013 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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