原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
研究論文
無機流動化剤を用いたセメン卜系充塡材の開発
豊原 尚実佐藤 龍明和田 幹雄石井 友晴松尾 和昭
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1997 年 3 巻 2 号 p. 35-43

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抄録

  雑固体放射性廃棄物を長期間安定に固型化する目的のためにセメントの流動性を高める無機の流動化剤を開発した。無機の流動化剤の添加によりセメントのゼータ電位は大きな負の値を示し、セメント粒子が分散する。またゼータ電位の時間による低下は小さいことがわかった。無機流動化剤の主成分である縮合リン酸ナトリウムは、セメントからのカルシウムイオンの溶解を押さえるとともに、溶解したカルシウムイオンを取り込んでコロイドを形成する。無機流動化剤を使用したセメントは、強度、放射能収着性能ともに無機流動化剤を添加しないセメントと同等であることを確認した。さらに雑固体廃棄物を隙間無く充填固化できることを確認した。

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© 1997 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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