原子力バックエンド研究
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研究論文
使用済み燃料再処理における溶解条件温和化に関する研究
安池 由幸池田 泰久長谷川 伸一西村 建二近沢 孝弘宮下 洋介高島 洋一
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2000 年 6 巻 2 号 p. 197-205

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抄録

  温和な条件での溶解工程の確立を目的に,被覆管付きUO2ペレットの硝酸溶液中での溶解挙動を種々の条件で研究し、その結果,90°Cにおいても沸騰条件と同等の速度でUO2ペレットが溶解すること,かつ溶解液中の亜硝酸濃度が沸騰条件より90°Cにおいて最高50倍高くなることから,従来と同様の溶解促進は,溶解により生成する亜硝酸による影響であることが確認された.また,温和条件での溶解における不溶解性残渣挙動について調べるため,模擬FPを混入したUO2ペレットを種々の温度で溶解した.その結果,残渣量は,沸騰温度に比べて90°Cの方が少なく,得られた残渣の主成分は,使用済み燃料の溶解液から得られる残渣と類似していることがわかった.更に,沸騰以下の温度におけるSUS材料の腐食挙動についても調べた.その結果,90°Cにおける腐食速度は,沸騰温度より約10倍遅いこと,その原因が低温化だけでなく亜硝酸の作用であることが明らかとなった.以上の知見より,現行の使用済み燃料についても,沸騰以下の温和な条件で溶解しうること,その結果として溶解工程の信頼性・安全性の向上が図られると期待し得る.

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© 2000 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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