原子力バックエンド研究
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研究論文
使用済燃料貯蔵を要諦とする原子燃料サイクル戦略
長野 浩司
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2002 年 8 巻 2 号 p. 135-143

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抄録

  わが国の原子力発電規模想定の下に,2050年までの使用済燃料管理のあり方を展望した.当面,再処理からのプルトニウム利用としては,軽水炉でのプルサーマル利用が中心となる.その際,軽水炉使用済燃料管理の観点から,以下の点が重要である.
(1) 今後, 2010~2020 年程度の中期的には,使用済燃料再処理を上回る使用済燃料を貯蔵措置により収容せざるを得ない.その対処必要量は,相当程度の確度をもった想定が可能である.
(2) 2050年までの長期的展望においては,原子力発電や再処理の実績次第で,貯蔵対処が不要になっていく場合から貯蔵対処必要量が単調に増大する場合まで,大きな不確実性が存在する.
(3) プルサーマル実施により,MOX使用済燃料が発生するが,これは第二民間再処理工場が実現するまでは貯蔵により対処せざるを得ない.このように,今後の使用済燃料管理においては,単なる量的考慮だけでなく,低燃焼度のものから高燃焼度のもの,MOX燃料と質的に多様なものが存在する状況になっていくので,より綿密な計画が必要になる.
(4) 一般に,貯蔵には最適な期間および最適な規模の選択が存在する可能性がある.今後の事業展開にあたっては,最適条件からの大幅な逸脱を生じないよう,計画全体の吟味を繰り返しながら進めていくことが望まれる.

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© 2002 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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