有機農業研究
Online ISSN : 2434-6217
Print ISSN : 1884-5665
【論文】
ダイズの不耕起草生栽培における刈り敷きによる窒素源としての雑草利用
サンガット ビナイ金子 信博佐倉 朗夫鈴木 準一郎
著者情報
ジャーナル フリー
電子付録

2020 年 12 巻 1 号 p. 71-81

詳細
抄録

保全農業の採用に際して雑草は作物と資源を競合するのでその管理は最も大きな問題であるが,雑草の持続可能な管理と利用に関する研究はあまり進んでいない.刈り払いと刈り敷きがダイズの栽培にいかに有効であるかを調べた.不耕起草生栽培は,作物を自然に農地に生える雑草とともに栽培し,雑草を刈り,緑肥として使うという点で保全農業の原則を踏襲している.雑草を3つの異なる頻度で刈り,刈られた草からの窒素放出量を求めた.ダイズの栽培において,雑草を0回(S0),1回(S1),そして2回(S2)刈り取る処理区を設けた.この調査区では1回刈り取りがダイズの収量を確保するのに十分であり,S1とS2はS0の2倍の収量であった.刈り取り回数の増加は,土壌炭素,窒素濃度を増加させており,雑草から土壌への窒素移動を示唆していた.さらに土壌微生物バイオマス量の増加をもたらした.雑草の適切な刈り払いと刈り敷きとしての利用は,低投入の農地で作物の生長を支えるために有効な方法である.

著者関連情報
© 2020 日本有機農業学会
前の記事 次の記事
feedback
Top