日本臨床皮膚科医会雑誌
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教育講演
高齢化社会を若々しく生きるためのアンチエイジング
市橋 正光
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2007 年 24 巻 1 号 p. 26-31

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抄録

現在はアンチエイジング医学が社会に役立つ時代である。高齢化が益々進む日本での、老人医療、老人雇用、老人福祉や老人介護などの高齢者関連の諸問題の解決の最善の方法は、心身ともに健康な高齢者が社会活動に参加することである。そのために、アンチエイジング医学により健康寿命を少しでも延ばすことが求められる。皮膚の若さは、全身諸機能の若さの維持に欠かせない。外界から体の内部を保護する皮膚は、常に環境因子の影響を受けている。特に太陽紫外線は皮膚細胞の遺伝子を傷つけ、さらに皮膚組織で活性酸素を生成し、細胞の機能を障害し、皮膚を老化 (光老化) させる。本教育講演では、加齢による老化に対する現時点での捉え方、光老化の発症機序についてまとめた。また、加齢による一般老化と光老化の差異、ついで、活性酸素の役割について要点を述べた。ついで、老化と光老化度の簡便な評価方法をシミ、シワ、皮膚の水分量と弾力性について紹介した。最後に、光老化の予防と治療方法として、まずはサンスクリーン剤の小児期からの使用と、ライフスタイルに適したサンスクリーン剤の選択の重要性を科学的根拠に基づき説明した。次いで、シミとシワの治療法について個々に要点をまとめた。特に抗酸化剤の皮膚塗布と経口摂取について、CoQ10などを中心に紹介した。(オンラインのみ掲載)

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© 2007 日本臨床皮膚科医会
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