日本臨床皮膚科医会雑誌
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一般演題1 皮膚潰瘍・腫瘍など
斑状皮膚萎縮症の1例
栃木 美寿紀羽尾 貴子鎌田 英明
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2007 年 24 巻 4 号 p. 303-306

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抄録

26歳女。約10年前より体幹上肢にやや隆起を伴う皮疹が出現した。3年前に某大学病院を受診し、精査を受け、漢方薬等による加療するも改善なく放置していた。皮疹は徐々に拡大、増加したために当院を受診した。現症、背部、臀部、両上腕に自覚症状を伴わない、鳩卵大から鵞卵大までの円形から楕円形の表面萎縮性で扁平台状に隆起する、やや紅色調のやわらかい局面が点在多発していた。皮疹出現時に紅斑や蕁麻疹、水疱が生じたことはなかった。病理組織学的所見、表皮は萎縮し、表皮突起の消失が見られた。真皮上層から中層では弾性線維が断裂、萎縮、減少し、消失している部分も認められた。真皮上層の血管周囲に好中球、リンパ球を中心とする細胞浸潤がみられた。付属器周囲や残存する弾性線維の周辺に細胞浸潤は乏しかった。臨床症状、臨床経過ならびに病理組織学的検査、血液学的検査等から各種斑状皮膚萎縮症について検討を行った。(オンラインのみ掲載)

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© 2007 日本臨床皮膚科医会
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