日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
Print ISSN : 1349-7758
ISSN-L : 1349-7758
論文
大腿に生じた血管内筋周皮腫(intravascular myopericytoma)の1例
井上(増田) 容子熊切 正信横山 知明
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 39 巻 3 号 p. 394-397

詳細
抄録
筋周皮腫は成人の四肢に好発する良性皮下腫瘍であり,まれに血管内に発生する.症例は 46歳男.3年前より右大腿内側に15 mmの皮下腫瘤を自覚し,徐々に増大し圧痛を伴うようになった.外傷歴はないが,1日8時間以上の立ち仕事をしていた.病理組織では,皮下脂肪組織に複数の腫瘍胞巣が散在し,異型を伴わない卵形〜紡錘細胞が内皮細胞の周囲に同心円状に配列していた.免疫染色では腫瘍細胞はsmooth muscle actin(αSMA)陽性,desmin,CD31,CD34,および第Ⅷ因子に対して陰性であり,CD34は内皮細胞で陽性であった.これは腫瘍が血管内に存在することを示唆した.これより血管内筋周皮腫と診断した.成因を明らかにするために,過去に報告された15例と年齢,性別,期間,部位および形態において比較し,本症例では,長時間の立位による静脈鬱滞・逆流が下肢の血管内筋周皮腫の誘因であると考察した.
著者関連情報
© 2022 日本臨床皮膚科医会
次の記事
feedback
Top