抄録
尋常性乾癬治療の基本は外用療法である.その指導は薬剤の説明,塗布方法,塗布量など考慮すべき事項は多岐にわたるが,本邦では外用療法の指針はない.さらに,外用剤のアドヒアランスは内服剤と比して低いことに留意する必要がある.今回,医師および尋常性乾癬患者に対し外用療法に関するWEBアンケート調査を実施し,尋常性乾癬に対する医師の外用指導および患者の外用実態を明らかにすることで,適切な外用指導について検討した.その結果,医師の指導内容と患者の外用方法に差異があることが推察された.以上のことから,医師は個々の患者の理解度や治療経過,疾患の状態に合わせて,外用指導を繰り返し行うこと,さらに患者が外用指導をより理解するためには疾患教育も併せて行うことが必要である.また個々の患者に寄り添い,長期にわたる乾癬治療に対して,治療ゴールの確認を行うことも重要である.