日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
原発性腋窩多汗症に対するソフピロニウム臭化物の効果
〜Axillary Sweating Daily Diaryを用いた患者報告アウトカム調査〜
稲澤 美奈子大勝 寛通深山 浩
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2024 年 41 巻 4 号 p. 612-620

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抄録
目的: ソフピロニウム臭化物(本剤)治療を受けた原発性腋窩多汗症患者のquality of life(QOL)を,過去24時間の症状の重症度と日常生活への影響を評価する新たな患者報告アウトカム(patient-reported outcome:PRO)であるAxillary Sweating Daily Diary(ASDD)と,Weekly Impact (WI)Items,Patient Global Impression of Change(PGIC)で評価する. 方法: 2022年3月~2023年10月に当院で本剤治療を受けた原発性腋窩多汗症患者を対象に,治療前後のASDD,WI Items,PGICのPRO評価の結果,hyperhidrosis disease severity scale(HDSS),副作用発現を後ろ向きに調査した. 結果: 対象患者31例の年齢中央値は40歳で,女性が77.4%,30~50代が77.4%を占めた.HDSSが3以上の患者割合が治療前後で96.8%から41.9%に有意に減少した.ASDDでは,腋窩の発汗の重症度のスコア(平均値±標準偏差)は,治療前後で5.0±2.02から3.3±2.3に有意に改善し,腋窩の発汗の活動への影響については,「影響があった(かなり/非常にを含む)」の回答割合が46.7%から3.3%に有意に減少し,腋窩の発汗を気にした程度については,「気になった(かなり/非常にを含む)」の回答割合が76.7%から26.7%に有意に減少した.WI Itemsでは5/6項目で腋窩の発汗により影響を受けたと回答した割合が有意に低下した.PGICでは,治療前と比較した腋窩の発汗の状態は「非常に良くなった」~「少し良くなった」の回答割合は93.5%であった.試験期間中,副作用は報告されなかった. 結論: 本剤は原発性腋窩多汗症の症状を改善するだけでなく,患者QOLを改善し,その結果,患者の疾病負荷が軽減されることが示唆された.
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