日本透析医学会雑誌
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症例報告
無月経の原因が多囊胞性卵巣症候群であった腹膜透析導入若年女性の1例
渡邉 廉也伊藤 建二多田 和弘打田 愛高橋 宏治浜内 亜希安野 哲彦安部 泰弘阿南 春分笹冨 佳江中島 衡
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2016 年 49 巻 5 号 p. 337-341

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抄録

30歳女性. 10年以上前に健診にて尿異常を指摘されたが放置していた. 2014年2月から眼瞼周囲の掻痒感があり, 5月に近医眼科を受診した. 点眼薬, 軟膏で加療したが改善せず, 内科疾患を疑われ5月下旬, 近医内科を受診した. その際に急性腎障害を疑われ当院に紹介され入院した. 精査の結果, 原疾患不明であるが末期腎不全の状態であり, 腹膜透析導入となった. 本症例は以前より月経不順があり, 約3年前の月経を最後に無月経が継続していた. 血液検査, 経直腸超音波にて, 多囊胞性卵巣症候群 (PCOS : polycystic ovary syndrome) と診断された. Kaufmann療法を行い, 消褪出血を認めた. 妊娠適齢期の腎不全患者の無月経は, 腎不全によるものだけではなく, 治療可能な産婦人科的疾患も念頭に考えなければならない.

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© 2016 一般社団法人 日本透析医学会
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