日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
原発巣切除後14年目に生じた甲状腺癌の皮膚転移の1例
村尾 和俊久保 宜明
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2026 年 43 巻 1 号 p. 25-29

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抄録
87歳,女性.16年前に甲状腺乳頭癌のため甲状腺左葉峡部切除術を受けている.2年前に頚部に皮下結節があるのに気づいたが,徐々に大きくなってきたために当科を受診した.前頚部左側に18×17 mmの皮下結節を認めた.局所麻酔下に全切除生検を行った.病理組織では大型で明るい核を持つ円柱状の腫瘍細胞が乳頭状の腺管構造をとりながら増生していた.免疫染色で腫瘍細胞はthyroid transcription factor-1が陽性であり,甲状腺乳頭癌の皮膚転移が考えられた.画像検査などで他には転移を思わせる所見はなく,現在は経過観察となっている.自験例は甲状腺癌切除後14年という長期間を経てから皮膚転移を来しており,delayed cutaneous metastasisと考えられた.Delayed cutaneous metastasisは乳癌,腎癌などで来しやすいことが知られている.しかし甲状腺乳頭癌においても,自験例のように非常に遅発性に皮膚転移を来した症例の報告が散見される.我々皮膚科医は,甲状腺乳頭癌でもdelayed cutaneous metastasisを来しうることを認識しておく必要がある.
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