抄録
13歳,男児.初診1年前から右足首に色調変化を伴う皮膚硬化が出現し,その後,右腹部にも同様の皮疹を生じた.線状強皮症を疑われ,当科紹介となった.初診時,右腹部に15×7 cm大の斑状皮膚硬化,右下腿から足関節に色素脱失を伴う線状皮膚硬化を認め,関節可動域制限を伴っていた.手指硬化や後爪郭部毛細血管拡張は認めず,抗核抗体160倍,抗ヒストン抗体陽性,強皮症特異的自己抗体は陰性であった.Mixed morpheaと診断し,ステロイド内服とメトトレキサート(methotrexate: MTX)の併用で寛解導入を行い,皮膚硬化および関節可動域は改善し,成長障害なく経過した.ステロイド内服の漸減中止後はMTX単剤で寛解維持していたが,右手指に脱色素斑が出現し,さらにMTX自己中断後に同部位の皮疹が硬化し線状に進展した.線状強皮症を伴うmixed morpheaは再発率が高く,特に小児では成長への影響に配慮した長期管理が重要である.当院で過去10年間に経験した限局性強皮症症例を対象に,病型および治療法と予後との関連を後方視的に解析し,適切なフォローアップについて検討した.