抄録
クッシング症候群は,コルチゾールの慢性的な自律性過剰分泌によってもたらされる疾患の総称で,本邦では多くが良性の副腎腺腫による.本症では,クッシング微候としてあげられる腹部の赤色皮膚線条,皮膚の菲薄化の他,多毛,痤瘡,血管拡張,皮下出血,女性でみられる男性型脱毛など様々な皮膚症状が認められる.一方皮膚症状から本症と診断された症例の報告は意外と少ない.今回、四肢に繰り返す紫斑と下腿の潰瘍形成から,クッシング症候群と診断されたれた39歳女性症例を報告するとともに,診断までに時間を要したことに対する反省点についても述べる.