2026 年 21 巻 3 号 p. 149-157
【目的】ホスピス病棟における非末梢挿入型中心静脈カテーテル(central venous catheter: CVC)からミッドラインカテーテル(midline catheter: MLC)への移行に伴う使用実態と臨床転帰の変化を検討する.【方法】2017年7月から2025年7月に聖フランシスコ病院ホスピス病棟でCVCまたはMLCを挿入された69例(CVC群28例,MLC群41例)を対象とした後方視的観察研究である.【結果】CVC群では死亡による抜去が89.3%を占め,留置期間中央値は33.5日であった.MLC群では偶発抜去や閉塞などの非死亡要因による抜去があり,留置期間中央値は15.0日とCVC群より有意に短かった(p<0.001).全生存期間中央値はCVC群33.5日,MLC群26.0日であり,有意差は認めなかった(p=0.816).【結論】MLCは偶発抜去や閉塞のリスクを伴うものの,予後には影響せず,ホスピス病棟における静脈路の選択肢となりうる.