2022 年 52 巻 5 号 p. 145-150
血漿総蛋白濃度[TP]とナトリウム−クロール濃度差[Na+]−[Cl−]には正の相関関係があり,これは[TP]の変化に伴う血漿pH の変動を[Na+]−[Cl−]を調節することで緩和する代償反応と考えられている.この代償反応における腎の関与について検討した.さいたま市立病院において7 年間に施行された血液生化学検査から,[TP],[Na+],[Cl−],クレアチニン濃度[Cr]のデータセット520,880 例を収集した.estimated glomerular filtration rate (eGFR) に基づいて腎機能を6 つのステージに分け,各ステージ別に[TP]と[Na+]-[Cl−]の関係を線形回帰分析で検討した.その結果,腎機能の低下に伴い[TP]の変化に対して[Na+]-[Cl−]を調節する代償能が低下することが分かり,この代償反応に腎が関与していることが示された.