日本臨床生理学会雑誌
Online ISSN : 2435-1695
Print ISSN : 0286-7052
総説
難治性慢性咳嗽の診断と治療
小高 倫生松瀬 厚人
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 54 巻 1 号 p. 15-19

詳細
抄録

 咳嗽は急性,遷延性,慢性咳嗽に分類される.本邦では,咳喘息,胃食道逆流症,副鼻腔気管支症候群が慢性咳嗽の3 大原因であるが,原因が不明であるものや治療効果のない症例も多々経験する.

 治療困難とされる難治性慢性咳嗽には,原因疾患が不明である場合と,もしくは原因疾患が存在するものの,その治療に抵抗性である場合の2 つにわけることができる.原因が不明である場合をunexplained chronic cough(UCC),原因疾患が同定されても,適切な治療下でも改善しない治療抵抗性の慢性咳嗽をrefractory chronic cough(RCC)と定義されている.また新しい咳嗽の概念として,従来からの原因疾患によらない“ 治療抵抗性の咳嗽の共通病態を説明する概念” cough hypersensitivity syndrome(CHS)が提唱された.

著者関連情報
© 2024 日本臨床生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top