日本臨床生理学会雑誌
Online ISSN : 2435-1695
Print ISSN : 0286-7052
総説
新たにわかった環境汚染“PFAS”その毒性と対応
藤原 悠基二ノ宮 彩音天野 出月鯉淵 典之
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 55 巻 1 号 p. 7-13

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抄録

 PFAS はフッ素を含む有機化合物のうち「ぺルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物」の略称で,その種類は数千種類にも及ぶことが知られている.PFAS は耐熱性や撥水性などの特性から広範な分野で利用されてきたが,その難分解性と毒性により,環境や健康への影響が懸念されている.毒性が問題視されている代表的な化合物として,パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)があげられる.PFAS のヒト健康への影響として肝臓や腎臓の機能障害,発がんリスク,免疫抑制,生殖機能低下などが指摘されている.さらに,胎盤や母乳を介した移行により胎児や乳児の健康に影響を与え,神経発達や甲状腺ホルモンの異常が次世代リスクとして懸念されている.本稿では,PFAS の性質,毒性影響,次世代および脳神経系への影響,さらに甲状腺ホルモンとの関係について概説する.

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© 2025 日本臨床生理学会
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