運動器理学療法学
Online ISSN : 2436-8075
症例報告
後⽅不安定性を有する習慣性肩関節脱⾅患者に対して運動療法を実施した⼀例
烏⼭ 昌起河上 淳⼀鶴⽥ 崇南川 智彦
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2024 年 3 巻 2 号 p. 82-91

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抄録

【⽬的】後⽅不安定性を有する習慣性肩関節脱⾅患者に対して運動療法を実施したので報告する。【症例】習慣性肩関節脱⾅と診断された10 歳台の⼥性であり,⽇常⽣活や剣道動作において疼痛と⾃覚的脱⾅感を訴えた。治療は8 週間の運動療法と⽇常⽣活動作指導を実施した。臨床成績は,疼痛,⾃覚的脱⾅感,Shoulder 36,Rowe score,Pain Catastrophizing scale で評価した。さらに,肩関節動態の経時的な変化を観察するために,超⾳波検査を⽤いて上腕⾻頭の後⽅移動を評価した。介⼊8 週時に⽇常⽣活の疼痛と⾃覚的脱⾅感は消失し,上腕⾻頭の後⽅移動は初期評価時と⽐べて減少した。本症例は,肩関節運動機能の改善に伴い剣道へ復帰した。 【結論】本報告の結果は,習慣性肩関節脱⾅患者に対する運動療法の有効性を⽰唆した。

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© 2024 日本運動器理学療法学会
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