産業衛生学雑誌
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ジボランのマウス呼吸器に対する急性・亜急性実験による無影響量
野見山 哲生大前 和幸上村 隆元中島 宏武林 亨石塚 千鶴山崎 一人櫻井 治彦
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1995 年 37 巻 3 号 p. 157-160,A54

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抄録

本研究は,半導体特殊材料ガスであるジボランの比較的低濃度の毒性評価を目的とし,雄性ICRマウスに, 1 ppm, 5 ppmジボランに1, 2, 4, 8時間曝露(急性曝露実験), 0.2 ppm, 0.7 ppmジボランに一日6時間,週5日間で2, 4週間曝露(亜急性曝露実験)を行った.血液生化学検査と,角膜・鼻腔粘膜・気管支・肺の病理組織学的検索を行った.急性曝露実験では, 5 ppm, 8時間曝露群において有意に肺重量が増加していた.組織病理学的に汎細気管支炎様変化(Diffuse panbronchiolitis-like lesion)が5 ppm, 2, 4, 8時間曝露群で見られた.亜急性曝露実験では, 0.2 ppm, 0.7 ppmの2, 4週間曝露群で軽度の好中球浸潤が主として細気管支領域において見られた.急性・亜急性曝露実験で血液生化学検査に曝露と関連する変化は見いだされなかった.本実験において,急性曝露によるマウス呼級器系への無影響量は1 ppmであったが,亜急性実験においては0.2 ppmでも呼吸器系には安全とは言えない.

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