2017 年 60 巻 4 号 p. 271-274
インターネットという情報の巨大な伝送装置を得,おびただしい量の情報に囲まれることになった現代。実体をもつものの価値や実在するもの同士の交流のありようにも,これまで世界が経験したことのない変化が訪れている。本連載では哲学,デジタル・デバイド,サイバーフィジカルなどの諸観点からこのテーマをとらえることを試みたい。「情報」の本質を再定義し,情報を送ることや受けることの意味,情報を伝える「言葉」の役割や受け手としてのリテラシーについて再考する。
第2回は各言語のWeb上におけるプレゼンスを計測する「言語天文台」の構想について,言語間デジタル・デバイドについて,情報伝達における「母国語」の役割と多言語社会について考える。